辞めたて保育士のほかほかブログ

もと保育士が保育の仕事・現場について語ります

おやつを食べたい子、まだ食べたくない子

一人一人の気持ち、状況を考えてみる

1歳児15名で一斉におやつを食べようとした時の大変さを前回のブログで書きました。

そのやり方は、子どもにとって、落ち着かなく、保育者にとってもとても大変だと私は思います。

(しつこいようですが、今回、配置基準が緩和され、1歳児18名に保育士3名ということになってしまいました。)

 

朝のおやつの前は、登園してくる子どもを受け入れながら自由遊びの時間としている保育園が多いと思います。

 

登園してくる子の時間は様々、おやつの始まる直前に来る子もいれば、朝7:00から来ている子もいるのです。

その2人が同じ時間におやつを食べるのは、おかしいと保育士でない人は、思うかもしれません。

おやつの時間直前に登園してきた子は、もちろんまだおやつなんて食べたくない子がほとんどです。それよりも遊びたいものです。

 

一人一人の子どもの気持ち、状態を考えてみた時、一斉におやつを食べる事をやめました。

トイレもみんなで一緒に行くことは、しません。

登園の早い子、オムツの濡れている子を何人かトイレに誘います。

登園の早い子は、ずっと遊んでいるので遊びに飽きている子も多いです、オムツの濡れている子は、気持ちが悪いと感じている子も多く、トイレにも案外スムーズに来てくれます。

15名がほぼ同じ時間にトイレに来るよりもトイレは空いているので喧嘩も起こりにくいし、便器の取り合いもありません。

狭いトイレに子どもと大人が何人もいるよりも一人の大人と数名の子どもがいる方が落ち着きます。

そうやって少しずつトイレを済ませ、トイレに来るのをどうしても嫌がる子は、おやつ後や主活動の前にトイレに改めて誘います。

 

その後、遊びに飽きている子と一緒におやつの準備を始めます。保育士がテーブルを拭いていると子どもも真似をして拭きたがりますよね、小さな台拭きを用意して一緒に拭いてもらいます。

15名一斉には食べないのでテーブルや椅子は、5名分ぐらいの準備で大丈夫なのです。

 

エプロン、口拭きタオルは、全員分準備はしますが、並べるのは食べる子の分だけでよいのです。

0歳児クラスから進級して来た子は、自分の口拭きタオル、エプロンを自分のものとわかっている子も多く、子どもの手の届くところに並べておけば自分で持って来ることができますね。

 

もうトイレを済ませて、おやつを食べたい子を連れて一緒におやつ取りに行きます。

登園が早くて、おやつが食べたい子は、「これからおやつを取りに行くから、〇〇くんも一緒に取りに行ってくれる?」と声を掛けるとお部屋から出てもおやつを持っている保育士のそばについてきてくれるものです。

もちろん今の時期は、泣いている子を1人おんぶしていますよ、念のため。

その負われている子も含めて3人位、連れておやつを取りに行ってくれるとお部屋にいる子どもの人数も減り、お部屋の保育も少しはゆったりできますよね。

 

そしておやつを早く食べたい子の手洗いを見て、その数名分のおやつの配膳をします。

おやつが食べたい気持ちのある子は、お水遊びをするより早く手を洗っておやつを食べたいので手洗いもスムーズ、人数も少ないので押し合いへし合いもありません。

その最初におやつを食べるグループでは、こぼす子はいても、食べさせてもらわなければ食べなかったり、食べたくなくて遊ぶ子はいないのでおやつを食べている間に残りの飲み物、食べ物の配膳をすることができます。

 

そのグループが食べ終わる頃、食べていない数名をおやつに誘います。

その数名で手洗い、おやつを食べます。

数名なので押し合いへし合いは、ありません、水遊びを始める子はいるかもしれませんが・・・

口拭きタオル、エプロンも15枚から何枚か減っているので探し出すのもスムーズ。

それを2回から4回位行って全員おやつが食べ終わります。

 

その間、自由遊びを見ている保育士が遊びのコーナーを減らしていき、玩具を少しずつ片づけ始めます。

そしてお散歩に行く準備コーナーをセッティングし始めます。

おやつを終えた子で遊び始める子もいますが、お散歩を楽しみにしている子や日々保育園で生活する中で、おやつの後は、お散歩となんとなく生活の流れが分かってきている子は、お散歩の準備コーナーへ行って自分の靴下や帽子を探し、うまくいかないながらも帽子をかぶってみようとしたり、靴下を履こうとしようとします。

遊びのコーナーは、減り、玩具も少なくなっているので遊びに飽き、おやつを食べに行ったり、散歩の準備を始める子が保育士が無理やり誘わなくても出てきます。

 

こんなことを日々繰り返す中で保育者の指示がなくても「おやつが食べたいから手を洗ってエプロンをつけよう」、「おやつを食べたら散歩に行くから帽子をかぶらなきゃ」と子どもたち自ら気づいて動けるようにしたい、それこそが「子どもにとっての生活の場」なのでは、ないかと思うのです。

 

今回のブログを読まれて気づいている人もいると思います、この保育をやろうと思った時に「コーナー」という言葉が何度も出てきました。

おやつを食べているすぐそばに遊んでいる子がいたらおやつを食べている子は、落ち着いて食べることができず、この保育は成立しません。

そうなんです、コーナー「お部屋の環境設定」がとても大切になってくるのです。

次回のブログには、そのことを書きたいと思います。