辞めたて保育士のほかほかブログ

もと保育士が保育の仕事・現場について語ります

理想の保育はあるけれど・・・挫折

前回のブログでおやつは、全員で食べていると思っていたというコメントをいただきました。

 

おそらく、全員一緒に食べている保育園の方がまだまだ主流だと思います。

昔から保育園は、当たり前のようにそのやり方をとっています。

でも7:00に登園して来る子と9:00前に登園してくる子が同じ時間に朝のおやつを食べるのは、変だなぁと保育士になりたての私は思っていました。

私は、一般企業で働きながら保育士資格を取ったので保育園とはこうあるものという既成概念があまりなかったのでそう思ったのかもしれません。

 

私が、以前働いていた保育園で各クラスのお部屋以外に「ランチルーム」のある保育園がありました。

その保育園では、幼児クラス(3、4、5歳児)になると給食とおやつは、ランチルームで食べていました。

最初のうちは、お昼になると全員でランチルームへ保育士と一緒に行って食べていましたが、途中から自分が食べたい時に(食べる事の出来る時間は決まっています)ランチルームへ行って給食を食べる事が出来るようにしました。

遊びがまだ途中の子は、その遊びを終えてから、登園が早くお腹の空いている子は、ランチルームが開くやいなや食べに行ってよいのです。

「はい、手を合わせてください、みなさんごいっしょに、いただきます」なんてシステムは、ありません。

自分の給食を運んで好きなテーブルに座って食べる事が出来ます。

大人の社員食堂を思い描いて見てください、まさに子どもの社員食堂です。

 

私は、保育士に指示されなくても自分で考えて動く事の出来るこのやり方が子どもにとってとてもいいなと思いました。

でもこのやり方をとっている保育園を実際に見たことがあるのは、この保育園と以前のブログに書いた保育士仲間の娘さんが通っている保育園だけでした。

 

私が働いていた保育園でもこのやり方を導入する時、私は、まだ保育士になってそんなに年数の経っていない保育士でしたが、「すごくいい!」と思いました、でも同僚保育士の拒否反応がすごかった。

同僚 保育士たちの反対理由は、「食べない子がでるんじゃないか」「食べた子と食べていない子の把握ができるのか」「一人で食べる事になってかわいそう」「食べ残し、好き嫌いの把握ができない」「マナーが悪くなる」等々。

ランチルームには、必ず保育士がつけば問題ないのになと私は思ったものです。

 

私が、最後に働いた保育園でおやつを一斉にとらない方法を提案した時、反発はなく、賛成意見すら出たものの、私が遅番等でいない時は、従来通り、一斉に食べていました。

やり方を伝えてもそのやり方の意図が、しっかり分かってから実践するのではないと、従来通りの自分のやってきたやり方に頼ってしまうんだなとよく分かりました。

  

従来からのやり方を変えるのは、並大抵のことでは、ありません。

 

保育園に就職する際の募集要項の案内欄を見て、「ランチルーム」があると記載されていたのに面接の際、見学すると「ランチルームとしては、使っていません」と言われたこともあります。

 

このやり方が、よいと思うけど、いざやってみるとやり方がわからない、指導できる保育者がいない、そこで従来通りのやり方にもどってしまう保育園が多いのだと思います。

 

私が働いていた「ランチルーム」を導入している保育園は、主任が絶対でした。

主任がやろうと決めると従わざるを得なかった。15年前の話です。

保育士仲間の娘さんが通っている「ランチルーム」を導入している保育園は、園長先生が反発にあいながらも先頭に立って、やり方を伝え、保育士を引っ張っていったそうです。

 

そして、やはり大事になってくるのは、環境です。

 

乳児クラスでこの事を考えてみるとランチルームに乳児クラスが行くのは、難しい、その「ランチルーム」を導入している保育園でも乳児クラスは、お部屋で食べていました。

給食を食べている場所のそばでほかの子が大騒ぎをしながら遊んでいたら食べている子は、落ち着かないでしょう。

おやつ、食事を食べる場所について考える必要があります。

そして遊びも広い場所に玩具が置かれているだけでは、動きたい盛りの1歳児は、走り回って、玩具を踏んづけ、転倒することになりかねません。

 

そこで遊びをコーナーで区切った「コーナー保育」という保育が考えられてきたのです。

 

次回は、イラストを使って「コーナー保育」(私の理想!)を説明したいと思います。