辞めたて保育士のほかほかブログ

もと保育士が保育の仕事・現場について語ります

私ならどんな保育園を選ぶだろう・・・

私は、アルバイトも含めて、色々な保育園で働いてきました。

 

 

〇〇教育法というようなことを取り入れ、外遊びよりも室内で教具を使って遊ぶことに重きを置いている保育園、それとは真逆で朝から晩まで外にいて泥だらけになって遊んでいる保育園、一般的なごくごく普通の保育園と言われている保育園には、大抵、外部から講師を招いて週に「英会話」「リトッミック」「体操教室」の時間がありますね。保護者からの要望が多いのです。これといった特徴のない保育園は、保護者からの要求に柔軟なのかもしれません。

 

こんなことを書くと「じゃあ、あなたならどこに預けたい?」と聞かれます。

 

私なら家の近くにある保育園に預けたいです、だってどんなに良い理念があったって、家から遠くて通勤電車に乗って子どもとラッシュにもまれるのは、嫌ですし、仕事帰りに最寄り駅のスーパーで買い物を済ませて、家の近くの保育園に子どもを迎えに行って、すぐに家に着く事ができれば、その分、子どもとゆったり過ごせると思うからです。

それから、小学校に入学する時、学区が決められていますよね、近所の保育園であれば、保育園の友だちと同じ小学校に通える確立も高い、初めて通う小学校で知っている友だちがいるのは、とても心強いと思うのです。

 

そして、子どもはどこの園の子どもも可愛くて面白いのです。

どの保育園でも保育士は、子どものことを考えひたむきに頑張っているからです。

 

でも、保育園の理念より、家の近所を選ぶ最大の理由は、子どもを育てているのは、結局は、家庭なんだなと思うからです。

保育園は、そのお手伝いをしているのです。

 

一口に保育園といっても保育園によって、色々な特徴があります。

こんなに待機児童がいる中、不思議に思われるかもしれませんが、少子化の時代、保育園も経営について深刻に考えていて、保育に特徴、強味を持って子どもを入れてもらおうと躍起になっています。

株式会社も参入してからもっと顕著になったと思います。

 

なのでこれから私の書く「子ども一人一人に寄り添おうとしている今の保育園が向かっている保育」とは、全く考えの違う保育園もあります。

でも大人が支配する「一斉保育」や子どもの「自由」を隠れ蓑にした「放任保育」とは、違う保育を考え、試行錯誤しながら取り組んできた中で、見えてきた保育と思って読んでいただければと思います。

 

保育園は子どもにとって「生活の場」であって欲しいと思います。

幼稚園との大きな違いは、そこにあると思うのです。

 

以前働いていた〇〇教育法を取り入れていた保育園で働いていた時、年度の途中から主任保育士に午前中の主活動は、一番教具に取り組むことのできる時間帯だから散歩に出ないよう言われたことがありました。

幼稚園であれば、遅くても14:30位に保護者と降園後に散歩に行ったり、買い物に行く時間があるけれど、朝早くから夜遅くまで保育園で過ごしている子は、散歩を禁止にされたら保育園を一歩もでないまま、過ごすことになる、それは、とても不自然なことでは、ないかと訴えました。

当時、私が担当していた1歳児の男の子に朝7:30から夜の20:00まで保育園で過ごしている子がいました。その子が平日の日中は、保育園から出る事なく、保育園の中でのみ5年もの間過ごすのかと思ったらぞっとしたのです。

 

散歩で得ることは、とても大きいと思います。

まず、自分の住んでいる地域との関わりを持つこと、散歩で挨拶をして地域の方と直接触れあうのは、大切なことだと思います。自分の周りには色々な人がいるのだと知るきっかけにもなります。私は、年長児と散歩する際、「子ども110番の家」の意味を伝えみんなでその看板を付けた家、お店を確認しながら歩いたものです。

そして交通ルールを学ぶ機会でもあります。紙芝居や絵本、DVDなどで得た知識とは、違うと思います。

友だちと手を繋いで道を歩くとき、相手のペースに合わせたり、ペースが合わず嫌な思いをしたり、おしゃべりをして歩くのは、大人と手を繋いで散歩をするのとは、違った経験です。

 

散歩だけでは、なく、外遊びで思い切り体を動かす経験は、乳幼児期に必ず体験しておくべきことです。

整体の先生に聞いた話によると舗装された平坦な道を歩くのではなく、でこぼこした起伏に富んだ道や斜面を登り降りすることは、歩きながらどこに足を出すかをとっさに判断していて、そんなことから「判断力」は、育つのだそうです。

きちんと整備された園庭で遊ぶだけでは、そんな力は育たないですね。

外遊びで色々な経験をして体を動かしていれば体操教室がなくても十分だと思います。

 

もちろん、子どもの年齢にあった距離、遊具、遊び方を保育士は考えなければなりません。簡単すぎれば、子どもはすぐに飽き、逆に危険なことをやろうとするかもしれません、逆に難しすぎると怪我をしたり、頑張っても出来ないことでやる気、自信をなくしてしまうことになりかねません。

保育士は、子どもの年齢による発達を勉強していて年齢に応じた遊びを提供するこをと考えています。

でも今政府が、保育士の資格を持たなくても保育園で働けるようにしようとしていることは、子どもの発達への知識を勉強していないために、発達に合っていない遊びを提供し、怪我、事故を起こす可能性を高くしているのです。

 

話が横道にそれました・・・

 

保育にかかわる事を考えていると今、政府が待機児童対策として打ち出していることの無責任さにぶち当たりますね。

 

今日は、ここまで。

外遊びに子どもを連れ出すのは、保育士にとって楽なことでは、ありません。でも外遊びの大切さを知っている保育園は、子どもたちに外遊び思い切り経験させているのです。