辞めたて保育士のほかほかブログ

もと保育士が保育の仕事・現場について語ります

「保育園落ちた、日本死ね」・・・保育士にとって最悪の結果に

保育園の配置基準、緩くなりますね・・・

国の基準よりも厳しい配置基準をとっている自治体には、国の基準に合わせるように厳しく指導していくのだそうです。

怒り心頭、昨夜は、あまりにも腹が立って寝付けませんでした。

 

保育士の仕事を馬鹿にしているとしか思えない、これからまた、保育士を辞める人が増えるでしょう。

「保育園落ちた、日本死ね」から始まったこの一連の騒動は、保育士にとって最悪の結果を招くことになってしまいました、とても残念です。

 

でも昔の配置基準は、もっと緩く、それでも保育は成り立っていました。

それは、何故なのでしょうか。

 

私が子どもの頃は、1歳でオムツがとれるのが当たり前だったと母から聞いていました。

今は、幼稚園入園前、3歳になるまでにとれればいいと考えている保護者の方も多いと思います。

それは、良い紙おむつがあるからでしょうか、私は、他にも理由があると考えています。

 

何故、私の世代は、オムツが外れるのが早かったのでしょうか、それは、おもらしをすると怒られ、叩かれて教えられた世代だからです。

私はその時、怒られたこと、叩かれたことは、全く記憶にないですし、父も母も大好きです。

 

今のトイレトレーニングの考え方は、子どもを叩いてまで教えることではなく、時期がきたら必ずとれる、オムツをしている大人はいないですよね、私も全くその通りだと思います。

この風潮は、子どもにとっても大人にとってもとても良いことだと思います。

 

でも怒ったり、叩いたらオムツは、早く外れたのです。

叩かれたくない、怒られたくないから子どもは、頑張ったのです。

 

それが、一昔前、配置基準が緩かった時の保育にも関係があると私は、考えます。

 

少ない保育士が、多人数の子どもを安全に保育しようととした場合、子どもを保育士の思う通りに動かそうとします。

でも子どもは、そう簡単に保育士の言うことに従わないですよね。

そこで保育士は、どうしたかと言うと、大声を出し、言うことを聞かない子を怒鳴り、子どもをまとめていました。(もちろん昔の全ての保育園、保育士がそうだったわけでは、ないでしょう)

 

「一斉保育」という言葉を保育士でなくとも耳にしたことがあると思います。

一昔前は、「一斉保育」が主流でした。

「一斉保育」は、少ない人数の保育士が、多人数の子どもを保育する時に力を発揮してきました。

 

保育士一人に対して子どもの人数が多いと子どもが、色々な場所で色々なことをしていると目が届かず、怪我をする子、危険なことをする子を防ぎきれません。

でも子ども全員が眼の届く範囲で同じことをしていてくれたら、危険なこと、怪我をするようなことが起きようとした時点ですぐに止める事ができますよね。

保育士が少なく、子どもが多いとそのような保育をせざるをえなくなります。

 

これは、一斉保育によく見られる例です。

子どもは、決められた範囲から出る事が許されず、その範囲に広げられたブロックで遊ぶことを強要されます。

ブロックをやりたくない子だっているでしょう。

でもその範囲から出たら保育士に「〇〇ちゃん、なんで出てるの」と怒られるのです。

一人の保育士で見られる人数、範囲には限界があるのでやむおえないのです。

 

狭い場所でブロックをしていると喧嘩が起きます、数も十分ではないと取り合いがおこります、少ない数のブロックで作れるのは、剣や電車位です、その剣で戦いごっこが始まります、電車ごっこでは、色々なところを走らせたいのに範囲が決められています。

戦いごっこをしている子、電車を走らせることに夢中になっている子に決められた範囲から出るなという方が無茶ですよね。

そこで保育士の怒鳴り声がとぶ・・・

「なんで喧嘩をしてるの、やめなさい」

「なんで絨毯から出ているの、絨毯の上で遊びなさい」

禁止事項ばっかりが増えていきます。

子どもは、戦いごっこがしたくても、電車を遠くまで走らせたくても保育士に怒られるのが怖いので保育士の言うことに従います。

 

これが保育士に対して子どもの人数が、多かった時の保育の一例です。

 

でも保育士たちは、子どもを怒鳴る事、決められた範囲から出ることに対してピリピリすることに嫌気がさしたのです。

子どもの気持ちになって考え始めたのです。

 

「喧嘩をするのは、ブロックが少ないから。ブロックに飽きているから。」

「絨毯から出てしまうのは、電車を思う存分走らせたいから」

 

それは、子どもが悪いんじゃない、保育が悪いんだ!と気が付いたのです。

 

そのことを考え始めた保育園の保育は、変わりました。

「一斉保育」は、見直され始めたのです。

 

子どもの気持ちに向き合って子ども一人一人が、充実して過ごすためにどうすればいいのか、これは、今でも保育士たちが日々考え、悩んでいることですが、試行錯誤しながらそこに向かっているのが、今の保育なのです。

 

そのような保育をしたいと願っている保育士たちに今回の配置基準の緩和が、どれ程酷いダメージを与えるのか、保育の質の低下を招くことにつながるのか考えて欲しいと思います。

 

 その一斉保育を見直して見えてきた、保育について次のブログに書きたいと思います。