辞めたて保育士のほかほかブログ

もと保育士が保育の仕事・現場について語ります

保護者支援って・・・?

「仕事が休みの時は、園を休んでください」

「普段は、少しでも早く迎えにきてください」

 

私は、この言葉も保護者に言ったことがありません。

でも、前回のブログで書いたように子どもと過ごしている中でこのような気持ちを持つことは、もちろんありました。

それでもこの言葉を保護者に言ったことがないのは、お母さん、お父さんがわが子のことをとても考えていて、頑張っている姿を見ているからです。

 

父親の育児参加が、叫ばれています、でも私が保育士になった20年前より確実にお父さんの送迎は、増え、行事への参加もとても積極的です。

 

日曜日には、赤ちゃんと2人で出かけるお父さんをよく目にします。それは、20年前には、見られない姿でした。

 

私が勤めていた保育園には、保育参観があり、保護者が一日保育士になって保育園の過ごし方を体験してもらう日がありました。

お母さんの参加が少し多かったですが、育児休暇を取得されているお母さんの参加を差し引いて考えると、両親での参加、お父さんの参加も同じ位の人数になると思います。(お父さんの育児休暇の取得は、まだまだ先が見えないですねぇ)

お父さんの張り切ってくれること!

とても助かりました。

 

私は、一般企業の事務職として働いていた時期もあるので会社でのお母さん、お父さんの姿がとても想像しやすい、仕事帰りに上司に飲みに誘われることがあるのも、それがとても断りにくいのも、仕事の役にたつのも知っています。

(今の時代、私が事務職として働いていた時より、飲みの誘いは、断りやすい風潮があるようですね。)

 

仕事で辛いことがあって、その気持ちを一回どこかで、何かでリセットしなければどうにかなりそうと思う日もあるでしょう。

そんな日に早く子どもを保育園に迎えに行かなければというプレッシャーをお母さん、お父さんたちは、どんなふうに処理しているのだろうと心配になります。

そんな時、

おかえりなさいと温かい笑顔の保育士に出迎えられたら

子どもが元気よく駆け寄ってきてくれたら

家に帰ってやらなければならない色々なことも頑張れますよね、そうやってなんとかこなした家事の後、子どもとゆったりした気持ちで係れるかもしれませんよね。

 

でもそんな思いでたどり着いた保育園で

子どもの機嫌が悪く、泣き叫んでいたら

子どもが、怪我をした、なんてことが起きていたら

保育士の対応次第では、家に帰って家事なんてやる気になれませんよね、泣きたくて怒りたい気持ちになりますよね。

 

もちろん、機嫌が悪くて泣く事も怪我をすることもあるでしょう、でもその状況を保育士が丁寧に説明し、フォローしてくれたら納得でき、笑顔で帰る事が出来るかもしれません。

それだけでは、なく、その日の園での我が子の様子を楽しく話してくれたら、育児って楽しいなと思えるかもしれませんよね。

 

保護者支援というのは、子どもを預かるということだけを言うのではなく、仕事で疲れた保護者を笑顔で出迎える事だったり、子どもの成長した出来事を話すことだったり、お母さん、お父さんが一人で子育てをしているのでは、ないと思ってもらうことだと思うのです。

 

そんな保育園と保護者の良い関係が、築けたら、自分が疲れた時、リセットしたい時、仕事を休んで、子どもを保育園に預けて、友だちとゆっくり食事をしたり、ネイルサロンや美容院に行ったりが、気兼ねなく出来るのだと思います。

そして保育園の様子を普段から保護者と共有できていたら、保護者に余裕がある時には、今日、仕事がお休みだから保育園を休んで子どもと過ごそうと思ってもらえると思うのです。

 

私の勤めていた保育園では、通常時間内(8:30~16:30)であれば、仕事が休みでも子どもを預けることができます。

時間や地域差もあるとは、思いますが、どの保育園でも仕事が休みでも通常保育時間内であれば預けることができるはずです。

 

なのに

「仕事が休みの時は、園を休んでください」

「普段は、少しでも早く迎えにきてください」

 という言葉が、保育園から出るのは、保育園と保護者の関係がうまく築けていないからだと思うのです。

保護者の状況を理解できていない、保育園の状況を共有出来ていないからだと思います。

 

これは、私の個人的な主観と考えて聞き流していただいてもいいですが、子どもは、お母さん、お父さんが仕事がお休みの日に預けられるとその事をちゃんと感じています、あれ、いつもと違うぞと敏感に感じ取っています。

なのでいつもより泣いたり、機嫌が悪かったり、友だちに手が出てしまうということがよくあります。

それは、多分に仕事が休みなのに子どもと一緒に休まないことへの後ろめたさが関係していると思うのです。

自分が本当に疲れていて、ゆっくりしたいと思ったら、それは、必要な時間なのです。

その時間をとることに後ろめたさを感じる必要はありません。

その時間をとったことで気持ちに余裕ができて、いつもより早い16:30にお迎えに行って、子どもと楽しく過ごせれば、育児の楽しさも実感でき、次の日も頑張れますよね。

そんな時間を作ってくれた保育園にも感謝の気持ちがわくかもしれないですよね。

 

でも、自分に余裕がある時だったり、子どもの様子が疲れていたり、不安定な時は、

「仕事が休みの時は、園を休んでください」

「普段は、少しでも早く迎えにきてください」

ということを少し考えて欲しいと思います。