3.11 保育園にいました2
みんな無事!でも揺れはつづく・・・
「先生、人数数えながら、子どもたち見ていてね」
と声を掛け、窓をあけ、万が一ガラスが割れた時の為に
ロールカーテンを下げに行きました。
その時、窓の外を見ると、ランドセルを背負ってパニックに
なっている小学生が見えました。
小学生の頭上の電線は、今まで見たことのないほど揺れています。
かなり離れた場所にいる小学生に向かって思わず叫びました
「そこのマンションに入りなさい、管理人さんがいるから
管理人さんのところに行きなさい」
小学生の子どもたちのすぐそばにあったマンションを指さしながら
叫びました。
どこから声がするのかわからず、最初は、キョロキョロと辺りを
見まわしていましたが、何度か叫んでいると、気づいた小学生は、
無事、マンションに入って行きました。
建物に入るのが安全かと声が上がるかもしれませんが、当時、
私の働いていた保育園の地域は、免震をうりにしている
新築マンションが、たくさん建っている新興住宅地でした。
今まで、目の前にいる子どもたちをいかに安全に守るかで
頭がいっぱいでしたが、パニックになる小学生を見て、
「姪は、どうしているんだろうか、両親は、無事だろうか」
と当時小学生だった姪、脳梗塞で右半身に麻痺の残る父、
そのそばにいるであろう母をやっと思い出したのです。
それまで家族のことなんて一切思い出さず、目の前の
子どもたちのことしか考えられなかったのです。
3.11 保育園にいました3に続く